リクルートテクノロジーズ メンバーズブログ  開発の裏側に迫る!~独自会話エンジン「TAISHI」搭載Pepper、海外デビューの巻

開発の裏側に迫る!~独自会話エンジン「TAISHI」搭載Pepper、海外デビューの巻

こんにちは。広報の鷲見です。
ちょっと前のお話になりますが、4月20日、スウェーデン大使館で開催されたイベント「SDG14 『海の豊かさを守ろう』ビデオコンテスト」にて、弊社のR&D機関であるアドバンスドテクノロジーラボが開発した会話エンジン「TAISHI」を搭載したPepperがヴィクトリア皇太子殿下と対面しました。

★会話エンジン「TAISHI」の概要はこちら→http://atl.recruit-tech.co.jp/taishi/

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スウェーデンの各メディアでも数多く報道され、いきなり海外デビューを果たした「TAISHI」。
今日はその時の裏話を、「TAISHI」開発者であるアドバンスドテクノロジーラボ・塩澤へのインタビュー形式でご紹介します。

きっかけはFacebookのメッセンジャー

――今回、スウェーデン大使館からオファーがきたきっかけは?
塩澤:実は、もともとスウェーデン大使館で働く友人がいて。雑談で、仕事ではPepperに絡んだ開発をしていることは話したりしていたんです。そうしたら、4月6日に突然メッセンジャーで「20日にヴィクトリア皇太子がイベントで来日するんだけど、君のPepperで会話できない?」というメッセージが来て。翌日大使館に行って詳しい話を聞くと、「SDG14 『海の豊かさを守ろう』ビデオコンテスト」というイベントの表彰式の司会をPepperがして、ヴィクトリア皇太子殿下との会話もしてほしい、ということでした。

直前まで行われた「自然な会話」にこだわったチューニング

――2週間前!直前に大役を任されましたね。本番に向けてはどのような準備をしたんですか??
塩澤:やったことは大きく分けて2つです。まず初めに、司会をするためのシナリオを入れました。私が開発し、Pepperに載せた会話エンジン「TAISHI」は「こう来たらこう返す」というような決まったやり取りではなく、文脈を考慮して自然な会話ができることが強み。今回もできれば自由な会話をさせたかったのですが、公式な場であり失敗が許されないということと準備期間を考慮し、シナリオを事前に準備してイベント担当者が操作できるような設定をすることになりました。

もう一つは、「TAISHI」の日常会話データを日本語から英語に変換する、というものです。「TAISHI」自体はスウェーデン語の応答も可能でしたが、今回はPepper本体の対応言語のかねあいもあって英語対応することになりました。データの英語変換自体は簡単だったのですが、ナチュラルな会話のためには言葉と言葉の間や英語特有のイントネーションを調整する必要があります。そのチューニングにこだわり、前日まで修正を重ねました。

――「自然さ」にこだわりがあったのですね。そうして迎えた当日はいかがでしたか??
塩澤:表彰式というフォーマルな式典だったので、会話がスムーズにいくかを心配していたのですが、準備の甲斐あってトラブルもなく、イベントを盛り上げることができてよかったと思います。皇太子殿下は、Pepperが質問に答えられなかったときに「次に会った時に勉強しておくよ」という返答をしたのがツボにはまったようで、「すごく楽しいわ。連れて帰りたい」とおっしゃっていました。

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有機的な会話を、Face to Faceの場で紡いでいきたい

――今回の取り組みからの学びと、「TAISHI」の今後の展望について教えてください。
塩澤:今回の取り組みでよかったことは、英語対応に取り組み、「TAISHI」の多言語対応の可能性を実証できたことです。スウェーデン語の他にも様々な言語への転換も見据えることができると思います。「TAISHI」はAPIのためPepper以外のデバイスに搭載することも可能なので、ほかのロボットや新しいIoTデバイスにも搭載し、多言語対応ができることを示していきたいですね。

あと、私個人としては「TAISHI」はリアルの場で人間と会話する、というシーンで使っていきたいです。Pepperを使った取り組みは多くありますが、ここまで「会話らしさ」「ナチュラルさ」にこだわっている開発チームは他にいないんじゃないか、という自負もあります。
今、AIを活用したテキストベースのチャットがオンラインの世界で多く活用されていますが、チャットで行われる無機的なテキスト情報のやり取りと違い、リアルのFace to Faceの場の会話は文脈や間、発言時のテンションなど非言語の情報もかかわる有機的なものだと思います。「TAISHI」の開発に取り組んでから4年近く、ヒューマンインターフェースの作りこみを意識して育ててきているので、今後も「人と接点とを持つ場」で活躍させていきたいです。

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※本取り組みは、ソフトバンクロボティクス株式会社が提供・開発するPepperを利用し、リクルートテクノロジーズとスウェーデン大使館にて実施しました。