リクルート メンバーズブログ  リクルートグループでの海外マーケティング推進

リクルートグループでの海外マーケティング推進

こんにちは。リクルートテクノロジーズでマーケティングをしている平井です。
今回はリクルートグループの海外マーケティングやその中からの”キヅキ”について書きたいと思います。

リクルートでグローバル?

「リクルート」と聞くと、恐らく多くの人がSUUMO、ゼクシィ、リクナビのような国内の主要事業をイメージされるのではないでしょうか?実は、リクルートグループには各国に子会社、関連会社があり、現在も引き続き海外の企業の投資や買収を行っています。
自分は入社してしばらくは国内事業の案件に携わっていましたが、海外のプロジェクトが始まったタイミングからそちらの割合が急激に増え、今はほとんどが海外のプロジェクトになっています。現地のマーケッターとして推進する案件もあれば、第三者的な視点でコンサルティングのような形で現地チームの戦略/体制構築に取り組む案件もあります。

何をやっているのか?

リクルートテクノロジーズとして海外の事業や拠点に対して、国内の事業で培ったノウハウやナレッジをシェアすることで、それらのプロダクトをより多くの人に届ける、ということをしています。案件により、地域や関わるスコープ、関わり方は異なりますが、現在自分は欧米とアジアのプロジェクトに並行して関わり、マーケティングを行っています。

海外マーケティングってどうなの?

響きだけを聞くと、オシャレに聞こえるのですが、実際の推進はかなり泥臭く、かつかなりハードなものが多いです…
文化や常識、そして言語などが異なる中で、いつも想定していなかったような壁にぶつかり、その中でもがきながら進んでいくのがリアルな海外マーケティング。自分自身はそのような中でチャレンジをしながら日々学んで成長することが出来ているなあと感じるので、自らのレベルを上げるという意味ではとても良い環境で働けています。

推進していく中での”キヅキ”

今回は、そのような案件を進め、壁にぶつかりながらも前に進んでいく中で自分自身が気づいた”キヅキ”について取り上げます!

 (1) 国が変わってもマーケティングの思想は変わらない
複数の国の案件に携わる中で、言語や消費者行動は異なる中でも、マーケティングの思想、観点、フレームワークといったようなものはどこに行っても変わらないことがわかりました。実際、今まで座学や業務の中で学んだマーケティングの知識は海外でマーケティングを行う上でも同じように役立てることが出来ています。
そのため、いったんその中で考えて進めていって、自分が上手く出来ないことを現地スタッフと協力して進めるというステップを踏めば、国や文化が異なってもマーケティングを推進することが出来ます。
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(2) 言語の違いがユーザーの検索行動に影響を与える
当たり前ですが、日本と違う国だと言語が異なります。
検索マーケティングを行う上で言語の違いによる検索行動の違いを強く実感しました。
人間の思考は言語によって作られていくので、文法や言葉によってクエリの特性が大きく変わります。
たとえば、日本では「渋谷のレストラン」と表現するので、「渋谷 レストラン」という語順のクエリの量が多いです。それに対して、アメリカでは「restaurants in San Francisco」と言葉では表現するので、「restaurants San Francisco」の検索数が多いです。

さらに、文法がクエリのバリュエーションに影響を与えることもあります。
たとえば、アメリカのように文法に規則性がある国ではクエリが比較的綺麗です。
しかし、インドネシア語には文法がほとんどないため、クエリの順序、組合せともにかなり多様です。
今回はわかりやすいので言語の違いが検索行動に与える影響を取り上げましたが、このように言語は様々の消費者行動に大きな影響を与えます。

 (3) グローバルなマーケティングプラットフォームの戦略や戦術は世界共通
国が変わっても、GoogleのSEO、AdwordsやFacebookのようなグローバルプラットフォームの中でのマーケティングプラットフォームは裏側にあるシステムやアルゴリズムは同じです。なので、見る観点や運用の観点も同じです。つまり、コンテンツ、クリエイティブやキーワードのような国特有のもののクオリティさえ担保出来れば、そのオペレーション自体は国が違っても同じように進めることが出来ます。
実際に国内と同じような打ち手を海外のスタッフと協力して進めたことで、SEOの打ち手による検索順位の改善、有料チャネルによる集客数/獲得パフォーマンスの大きな改善に繋がっています。

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 (4) インフラや産業などの進んでいる状況によって進める上での戦略が大きく異なる
国によってインフラや産業(競合の状況)が大きく異なります。欧米のような成熟したマーケットの場合はレッドオーシャンな中でいかに強い競合に勝っていくかというような競合戦略が重要になります。
それに対して、インドネシアなどのASEAN諸国では、そもそもビジネスを進める上でのネットワークインフラ、ペイメントインフラ、消費者習慣がない中で、どのように市場に入っていってビジネスを大きくしていくかというようなところが重要になります。
実際に進めるマーケティングの戦略や打ち手もその差異によって、どこが重要かは異なってきます。

(5) 国が変わって言語と文化が違っても推進する上での人と人とのやりとりは世界共通
自分が海外マーケティングをする中で一番感じているのは、“人とやりとりをする中での大事なこと”は国が変わっても本質は同じだということです。
学生時代、アメリカとフィリピンに留学をしていたときも、様々なバックグラウンドの人達と交流する中で、人としての本質は変わらないなあと感じていましたが、ビジネスにおいてもそれは同様だと思っています。

勿論、国民性などによって表面的な違いはあります。しかし、生まれた、国、言葉、文化が違っても、同じ人間なので、どの国のプロジェクトでも、直接顔を合わせて信頼関係を創っていく姿勢、一緒にいる時間を増やし、こちらから相手に歩み寄って理解し、向き合って進めていくことで進んでいけると思いました。

世界に出る上での楽しさ

分からない環境、市場の中で、壁にぶち当たりながらも、日本と世界で「同じコト」「違うコト」や、「そのまま通用するもの」「しないもの」を思考し続けながら走り続け、前に進んでいくのが本当に楽しいです。とても難易度の高いことや辛いこともありますが、それも含めて素晴らしい成長環境で働けていると思います。
今後は、SEOやリスティングをはじめとしたデジタルマーケティングをリクルートテクノロジーズで一緒に進めていく仲間が増えることを夢見ています!

 

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